はじめに
近年、住宅の省エネルギー性能を高めるために「高気密高断熱」住宅が注目されています。気密性と断熱性を向上させることで、冷暖房の効率が上がり、快適な住環境を維持しやすくなります。しかし、このような住宅では 換気が非常に重要 であることをご存知でしょうか?
適切な換気を行わないと、室内の空気が汚れたり、湿気がこもってカビや結露の原因になったりすることも。
1. 高気密高断熱住宅に換気が必要な理由
① 室内の空気がこもりやすい
高気密住宅は外気の影響を受けにくいため、外からの自然な換気がほとんど行われません。結果として、室内の二酸化炭素濃度が高まりやすく、頭痛や倦怠感を引き起こすことがあります。
② 湿気が逃げにくく、結露・カビの原因になる
冬場は暖房で室内の温度が上がる一方、壁の内部や窓付近との温度差によって結露が発生しやすくなります。換気が不十分だと 湿気がこもり、カビやダニが繁殖 する原因になります。
③ 有害物質や臭いがこもる
新築住宅では建材や家具から発生する ホルムアルデヒドなどの化学物質(シックハウス症候群の原因) が空気中に漂うことがあります。また、料理やタバコの臭い、ペットのニオイなども長時間残りがちです。
2. 効果的な換気方法
① 24時間換気システムを活用する
高気密高断熱住宅では、24時間換気システムの使用が必須 です。日本の建築基準法では、住宅の居室には0.5回/時(2時間で家の空気が1回入れ替わる)以上の換気が求められています。
主な換気システムには以下の3種類があります。
-
第一種換気(機械給気・機械排気)
→ 給気・排気をともに機械で制御し、最も安定した換気が可能。熱交換機能があると、冷暖房の効率も損なわない。 -
第二種換気(機械給気・自然排気)
→ クリーンルームなどで使用される方式。一般住宅にはほとんど採用されない。 -
第三種換気(自然給気・機械排気)
→ 排気のみ機械で行い、給気は自然に取り入れる方式。比較的コストが低く、多くの住宅で採用されている。
② フィルターの掃除・メンテナンスを忘れずに
換気システムにはフィルターがついており、これが目詰まりすると換気能力が低下します。最低でも3か月に1回はフィルターの掃除 を行い、1~2年ごとに交換するのが理想です。
③ 換気扇を適切に活用する
換気扇をうまく活用することで、空気の流れを作り、効率的に換気ができます。特に以下の場所では、換気扇を適切に利用しましょう。
- キッチン:調理中に発生する油煙やニオイをすばやく排出。
- 浴室:入浴後の湿気を除去し、カビの発生を防ぐ。
- トイレ:臭いや湿気を迅速に排出。
3. 高気密高断熱住宅に適した換気習慣
- 24時間換気システムを適切に運用
- 換気扇を必要に応じて使用
- フィルターは定期的に掃除・交換
- 家全体の空気の流れを考えて家具配置を工夫
- トイレ・浴室は個別の換気扇を活用
まとめ
高気密高断熱住宅はエネルギー効率が高く、快適な住環境を提供しますが、適切な換気をしないと空気が汚れたり、湿気によるトラブルが発生 します。
24時間換気システムの活用や、適切な換気扇の使用を組み合わせることで、常に新鮮で健康的な空気環境 を保ちましょう。
住宅の性能を最大限に活かし、健康で快適な暮らしを実現するために、「換気の大切さ」を意識することが重要 です。
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