小山 志穗 自己紹介へ

新築なのにヒートショック?見逃せない住宅性能の重要性

新築住宅を建てたばかりなのに、家族がヒートショックのリスクにさらされる…。

そんな事態は避けたいものです。特に冬場、暖房が効いたリビングから冷え切った浴室や

トイレへの移動が引き金になるヒートショックは、私たちの健康に重大な影響を及ぼします。

1. ヒートショックとは?

ヒートショックとは、急激な温度変化が体に負担を与え、血圧が大きく上下する現象です。

特に高齢者は心筋梗塞や脳卒中など命に関わるリスクが高まることが知られています。

以下の場面が典型的な例です:

  • 暖かいリビングから寒い浴室への移動
  • 冷えたトイレに入るとき
  • お風呂上がりの冷えた脱衣所で過ごす時間

2. 新築なのにヒートショックが起きる理由

「新築なら大丈夫」と思われがちですが、住宅性能が十分でない場合、温度差が発生する原因となります。

以下の要因が挙げられます:

  • 断熱性能の不足
    壁や窓の断熱が不十分だと、部屋間の温度差が大きくなります。

  • 気密性能の低さ
    隙間風が入り込みやすく、室温を一定に保つことが難しくなります。

  • 暖房計画の欠如
    リビングに暖房設備が集中し、浴室やトイレなどが寒いまま放置されるケースがあります。


3. ヒートショックを防ぐ住宅性能のポイント

(1) 高断熱・高気密の家を目指す

温度差をなくすためには、家全体の断熱性能と気密性を高めることが重要です。
おすすめの基準:

  • 外皮平均熱貫流率(UA値)が0.6以下を目指す(地域により基準は異なる)
  • 気密性能(C値)が1.0以下

(2) 全館暖房システムを採用する

家全体を均一な温度に保つためには、全館暖房が効果的です。

浴室やトイレも暖かく保てるため、ヒートショックのリスクを大幅に軽減できます。

(3) 窓の性能を見直す

窓は熱の出入りが最も多い場所です。高性能な窓を採用することで、断熱効果が大きく向上します。

  • Low-E複層ガラストリプルガラスの導入を検討しましょう。

(4) 浴室・脱衣所の暖房設備

ヒートショック対策として浴室や脱衣所専用の暖房設備を設置するのも有効です。

ヒートポンプ式の浴室暖房乾燥機は特におすすめです。


4. 住宅性能を確認する際の注意点

家づくりを依頼する会社に、以下のポイントを確認してください:

  • 断熱材の種類と施工法
    「使っている断熱材は何か?」だけでなく、「施工精度」にも注意を払いましょう。

  • UA値やC値を数値で示してもらう
    実際の性能を数値で確認することで、安心して任せられるかを判断できます。

  • 第三者機関による検査
    性能を保証するため、第三者機関の検査を受けているかどうかも重要です。


5. 快適で安全な家づくりを目指して

住宅性能を高めることは、ヒートショックの予防だけでなく、快適性や光熱費の削減、

さらに資産価値の維持にもつながります。「新築だから安心」と思い込まず、

しっかりと性能について考えた家づくりを目指しましょう。


 

ヒートショックは命に関わるリスクを伴いますが、住宅性能を向上させることで

そのリスクを最小限に抑えられます。家族全員が安全で快適に暮らせる家を実現するため、

断熱性・気密性・暖房設備の充実にしっかりと目を向けましょう。

 

 

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