家づくりを考えるとき、エネルギー効率の良い住宅や快適な室内環境を実現するために
「高気密高断熱」が重要視されています。しかし、高気密高断熱の住宅性能を活かすためには、
設計や設備だけでなく「施工の質」が鍵を握っていることをご存知でしょうか?
高気密高断熱とは?
まずは簡単に「高気密高断熱」とは何かをおさらいしましょう。
高気密: 外部の空気が室内に入り込む隙間を極力減らし、空気の漏れを抑えること。
高断熱: 室内外の温度差を保ち、エネルギーを効率的に使用するために、壁や窓、
床に断熱材を使用し熱の出入りを抑えること。
これにより、冷暖房効率が向上し、年間の光熱費を抑えるだけでなく、室内の快適さも向上します。
さらに、室内環境が安定することで健康にも良い影響があり、長期的な住み心地が大幅に向上します。
高気密高断熱で施工が重要な理由
高気密高断熱の住宅性能を活かすためには、計画や設計の段階も重要ですが、
施工段階での仕上がりが非常に重要です。以下のポイントから、
施工の質が性能に与える影響を見ていきましょう。
1. 隙間のない施工精度が必要
気密性能を高めるためには、家全体にできるだけ隙間がないように仕上げることが必要です。
どれほど高性能な断熱材や気密材を使用しても、施工精度が低く、
隙間が生じてしまうと効果が半減してしまいます。
特に、壁や窓の取り付け部分、配管の通し口など、細かい部分での施工ミスが気密性に大きく影響します。
2. 適切な断熱材の配置と施工
断熱材の種類や厚さも重要ですが、それ以上に「どこにどのように施工するか」が性能を左右します。
断熱材が適切に配置されていないと、熱が逃げやすい「熱橋(ヒートブリッジ)」が発生し、
断熱性能が損なわれます。丁寧な施工によって初めて断熱効果が最大限に発揮されるのです。
3. 換気システムとの調整が必要
高気密の家では、室内の空気の出入りが少なくなるため、適切な換気システムが不可欠です。
施工段階で換気システムが正確に設置されていないと、換気不足によって空気がこもり、
湿気やカビの発生を引き起こします。これが健康リスクとなりかねませんので、
換気システムの設置も精度の高い施工が求められます。
4. 長期的な耐久性への影響
施工が不十分な場合、建材や断熱材が湿気や温度変化により劣化しやすくなり、
結果として住宅の耐久性が低下します。高気密高断熱の家を建てる目的は、
長期間快適で省エネな住まいを実現すること。そのため、長期的に高い性能を維持できるよう、
施工に対する細部へのこだわりが必要です。
質の高い施工を実現するために確認したいポイント
高気密高断熱住宅を検討する際、施工の質を高めるために以下のポイントを意識してみましょう。
信頼できる施工業者の選定
施工の質は業者の技術力や経験によって大きく異なります。過去の施工実績や口コミを参考に、
信頼できる業者を選ぶことが大切です。また、高気密高断熱の施工に特化した技術を持つ業者を選ぶことで、
より精度の高い仕上がりが期待できます。
現場見学や打ち合わせ
実際の現場を見学し、施工がどのように行われているかを確認することもおすすめです。
打ち合わせの際には、細部の施工方法や使用する素材について具体的に確認し、
要望をしっかりと伝えることで、業者と一緒により良い家づくりが可能になります。
気密測定を実施する
施工後には気密測定を行い、計画通りの気密性が確保されているか確認することが大切です。
気密測定を行うことで、万が一隙間がある場合にはその箇所を特定し、補修を行うことができます。
施工精度を見える化するためにも、気密測定の実施を求めることをおすすめします。
高気密高断熱の住宅は、快適さとエネルギー効率を兼ね備えた理想的な住まいですが、
その性能を最大限に引き出すためには「施工の質」が非常に重要です。
信頼できる施工業者と協力し、細部にまでこだわりを持って施工を行うことで、
長く快適に住み続けられる理想の住まいを実現できます。
家づくりを検討する際には、ぜひ施工の質にも目を向け、妥協せずに計画を進めてみてください。
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